アラバマ補選で何が起こったのか?(私的米国政治考その1)

先日行われたアラバマ州上院補欠選挙は、共和党候補ロイ・ムーア氏の性的スキャンダルの発覚などで、予想を裏切る民主党候補ダグ・ジョーンズ氏の勝利となった。選挙結果はすでに公表されているので、共和党民主党の得票がどう変化したかを前回大統領選と比較したい。

アラバマ州概要

2010年の国勢調査によると、全人口は4,779,736人。人種別では白人68.5%、黒人26.2%。

選挙権のある有権者数では、同様の国勢調査によれば白人70.9% 黒人26.2%であった。

(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%9E%E5%B7%9E#%E4%BA%BA%E7%A8%AE%E5%8F%8A%E3%81%B3%E7%A5%96%E5%85%88)

(https://www.census.gov/library/visualizations/2016/comm/citizen_voting_age_population/cb16-tps18_alabama.html)

 

選挙結果のまとめ

ダグ・ジョーンズ民主党) 得票率49.9% 得票数671,151

×ロイ・ムーア(共和党) 48.4% 650,436

ソース:ポリティコ(https://www.politico.com/interactives/elections/2017/alabama/special-election/dec-12/)

ワシントン・ポスト紙の記事より出口調査の結果から(https://www.washingtonpost.com/graphics/2017/politics/alabama-exit-polls/?utm_term=.97318ac96291)

・人種別の投票比率でみると、白人66%、黒人29%であった。これを前述の有権者数の比率(白人70.9% 黒人26.2%で)と比べると、黒人の投票率は白人より高かったことが分かる。

・性別では、男性の総投票数に占める割合が46%で、女性が48%であった。男女別の有権者数は男性47.5%、女性52.5%である。

・人種別の投票先では、黒人の民主候補への投票率が95%以上と圧倒的で、白人の30%程度とは全く反対であることが分かる。

・ポリティコによると、郡別の得票数では全ての郡において民主候補が前回の大統領選と比べて得票率を上げた。

前回大統領選の結果

○トランプ 得票率62.9% 得票数1,306,925

×ヒラリー 34.6 718,084

 

ソース:ポリティコ(https://www.politico.com/mapdata-2016/2016-election/results/alabama/)

 

比較

・総得票数では民主候補が前回大統領選のヒラリーの得票数にほぼ匹敵する一方、共和候補はトランプの半分しか取れていない。

アラバマ州の前回大統領選の人種別などの詳細な調査結果が見当たらないので、あれば加筆・修正予定)

 

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